2018年1月23日火曜日

イタリアの思い出

訂正:マルコ→マウリシオでした

12/4〜12/23に王舟との音楽製作のためにイタリアに行ってきた。
共通の知り合いのマッティア・コレッティにエンジニアをお願いし、田舎のロッジを借りてそこに機材を持ち込んで製作するというもの。
既にところどころ忘れかけつつあるけど、この滞在の体験を忘れないために書いておきます。なので間違ってたり記憶違いの箇所もあるかもしれん。
主に楽曲製作以外の思い出について書いてます。

12/4、1日目
羽田発なのでまず大阪から東京へ行くため新幹線で新横浜へ。
不安過ぎて出発前に気が動転して近所の寿司屋でランチ。昔ながら?の大ぶりなお寿司で美味しかった。
羽田に着、王舟と合流。一緒に空港の高い中華を食いながらお互いの不安について話す。
ちなみに私は海外へ行くの人生で二回目。



その後出発。



まずは乗り換えのためドバイまで向かう。7時間くらい。
座席にある画面で映画やゲームができたので行きも帰りもそんなに苦じゃなかった。英語の映画は最新作まで網羅されてたけど日本語対応が少なかった。エイリアンコヴェナント(笛刺しの時のウォルターの顔と音楽が良かった)、トランスフォーマー、スパイダーマンホームカミング、ベイビードライバー(良かった、泣けた)、スカヨハの攻殻機動隊、BLAME!(日本の映画もある)、とか。BLAME!は原作の凄さを踏みにじる超駄作やって腹が立った。ゲームはマインスイーパーとストⅡをやった。

機内食。ドバイの航空会社だったのでイスラム用に全てハラール。 うまくもまずくもない。ビールを提供してくれるのがありがたい。


12/5、2日目
夜明け。
窓から眺めるドバイの街並み。何にもない砂漠に突然巨大な街が現れてびびった。
ドバイにつくまで恐らく中国の北京や大連の夜景や、イランパキスタンあたりの荒涼とした山岳を眺め、全く自分とは違う暮らしのサイクルを営んでいるであろう人たちを想像するが寂しさに浸る暇なく飛行機は通り過ぎる。



ドバイ着。乗換駅なので色んな国の人がいた。
一時間ちょいの短いトランジットでボローニャへ。



ドバイからボローニャ。5時間くらい。機内食。腹パン。


ボローニャ着陸寸前までストⅡをやる王舟。



そしてボローニャ着。イタリア!
空港内に銃ぶら下げた兵士がうろついてて変なとこで海外に来たな〜と感じる。

 


まずはピザを食う。ピザ革命を期待していたが恵比寿で食べるピザくらいのクオリティ。うまいけど。



バスでリミニという街まで行く。マッティアとコマネチというグループの人らが俺らが行くロッジで作業しているらしくコマネチの人がリミニで俺らをピックしてくれるらしい。
バスの車窓。夕焼け。旅情を感じる景色を期待していたが新名神走ってる時みたいな景色やった。


リミニの街。ようやくイタリアっぽい景色に出会い少し実感が湧いてきた。





コマネチのメンバーのお姉さん(名前忘れた)の車で俺らが行くペルゴラの市街地へ。市街地っていっても古い小さな街。お姉さんは物腰柔らかで可愛らしい感じの人やったけど高速はがんがんとばしてて怖かった。車線変更急すぎ。あと、イタリアの交差点は基本的にラウンドアバウト。ペルゴラの街は古い建物がよく残ってていい。マッティアらと合流し、ピザと酒を買いロッジへ。
ロッジに着き、豪華さにビビりまくる。一つ一つの調度品まで手の行き届いた石づくりの家。各部屋にシャワートイレ付き。後からマッティアに聞いたけど家具とか全部高いやつで揃えてるみたい。



コマネチらとマッティアとピザを食う。イタリアのビールうまかった。就寝。俺の部屋の横でコマネチが夜遅くまでミックスのチェックをしてたらしいけどぐっすり眠った。

12/6、3日目
昨日は着いたのが遅くて暗かったので分からなかったが、朝起きてみて景色の凄さに驚いた。
山っていうより丘。全部奈良の若草山みたい。
そこらで野生の豚を追う犬の鳴き声と猟銃の音がする。




寒いので水が凍ってた。








薪が置いてあったので遊ぶ。この薪はその後録音に使用する。



ロッジのオーナーのおばちゃん(めちゃくちゃ喋る)と近所の店でランチ。
素朴やけどいい店やった。
ボロネーゼ。うまい。


ミックスグリル。シンプルやけどうまい。



この時に初めて知ったけどイタリアで皆でご飯食べる時基本的に最初ミネラルウォーターとハウスワインのデキャンタかボトル入りとパンみたいなものを注文しそれを皆でシェアする。


マッティアと王舟。


その後これからのロッジ生活のためにスーパーに買い出しに行き、海沿いのファーノにあるマッティアの家へ。
イタリアのスーパー、当たり前やけど日本と売ってるものが全然違ったので凄く面白かった。野菜も豊富。近年日本でも山形を中心にイタリア野菜生産が盛んになってるらしいけど、やはり現地で色々みると面白かった。日本ではめったに見かけない赤チコリー類やプンタレッラも発見。あとパスタもめちゃくちゃ売ってて見たことない種類のパスタもたくさん。






その後マッティア家に。王舟は前回のイタリアツアー時にマッティア家に泊まってたらしい。その時には生まれていなかったマッティアの子のオランダちゃん(天使)と嫁のフランチェスカと猫のミータが住んでいる。羽田で買ったお土産を渡す。



12/7、4日目
翌朝、起きていちいち景色に感動する。俺だけ早起きしたので近くを散歩。






変な形の葉っぱ



散歩してて気づいたんやけどイタリアの太陽光はめちゃ明るい。明るいというよりは光のもつ波長が日本より幅広い気がする。より紫外線と赤外線を含んでいるような。太陽の色も日本のとくらべても真っ白い気がした。





今日から王舟が2日間ライブ。マッティアもちょこっと参加するので二人で練習。俺はただついていくだけ。夕方からマッティアの車(今回の道中の移動は基本的にマッティアの車)で移動。


この日のライブはBIRRIFICIO ALTOTEVEREというビール工房兼バーみたいなところ。周りが真っ暗で何もないところだったのでほんとに人くんのか…?って感じ。



イタリアではライブ前に関係者同士でディナーするスタイルが主流らしい。ビールはもちろんのこと、左に写っているチーズの上にラルド?らしきものがのっているものがめちゃうまかった。マッティアの知り合いで前回の王舟イタリアツアーで王舟がお世話になった人ら何人か登場。この時は何も思わなかったが、後にこの「やたら新キャラが登場する」ノリに疲れてくる。


王舟。



マッティアの知り合い(名前忘れた)のこどもたち。


ライブ始まるころになるとどっから湧いてきたのか続々と人が集まってくる。奈良みたいな車社会の地方でよく見る感じに近い。イタリアは車社会。ライブ目当てっていうよりかは普通にメシ食いに来てる感じなので、王舟はさながら流しっぽかった。聞いてる人は曲が終わるごとに拍手したりしてるけど、普通に談笑して飲んでる人たちもいる。

ライブが終わり宿に向かう、市街地の方へ。これまた古い建物が残ってていい街。



宿に着くが、どう見ても人んち。中に入ると誰の知り合いでもないおばちゃんが迎え入れてくれて、かつて子ども部屋として使われていたであろう、勉強机とか学校のノートとか置いてる部屋に案内され、そこで就寝。結局最後まで誰なのか分からなかった…夢?

12/8、5日目
起床して窓の外をのぞく。窓の構造が日本と全く違う。ちっちゃくて雨戸付き。外の街並みを見てイタリアきたな〜と思う。自然より建物の方が日本との差異が大きいので街を見るとイタリア〜て感じがする。



外に出て軽くエスプレッソとサンドイッチを食べる。コーヒーはやっぱりエスプレッソらしい。アメリカンは?と聞くと、良くないけど飲みたかったらいんじゃね?的なこと言われた。






昨日来た知り合い達とランチをするというので移動。皆で集まって食事するの好きなんやな〜。そのせいか食事に対するイタリア人の意識はめちゃくちゃ高かった。最初のミネラルウォーター、ワイン、パンから前菜、メイン、パスタ、食後のエスプレッソとハーブ酒に至るまでの一連の流れに妥協が無い。日本のチェーン牛丼屋とか有り得ないんやろな。料理ひとつひとつに対しても、今回の滞在中なんか食べるたびに毎回マッティアが細かく説明してくれた。

トマトとパン粉のスープ


バケット類。カーボロネロ、トマト、レバーペースト、あとひとつは何か分からんかった。


オレンジが入ったサラダ。


デュラムセモリナではない生パスタ、見た目は完全にうどん。これはこれでおいしい。


パスタに卵が入っているというので食べなかった(卵アレルギーなので)パスタ。


皆と喋る。三島由紀夫の話など。皆日本映画詳しかった。


お姉さんと娘。この女の子ともう一人の男の子にずっと紙飛行機作ってくれとせがまれてめっちゃドゥフりおじさんになってしまいました。可愛すぎ。


店出る時に男の子が店の花瓶を割ってしまって親父怒るんかな〜と思ったら親父も一緒になって「バレる前にずらかるぞ!」って感じで良かった。

その後ライブ会場があるテルニという街へ。airbnbで予約した宿へチェックイン後市街地へ。駐車スペースが見つからなくてマッティアがイライラする。
イタリアは基本的にタダで駐車できるんやけどなんせ駐車場の数が少ない。休日となるとほとんど路駐みたいな駐車スペースにところ狭しと車が並んで凄く道が狭くなる。多分建物を保護するために簡単に駐車場とか作れないんやろけど、これは難儀やなと思った。
会場はMISHIMAという日本人名を冠したバー。この日は聖母受胎際というクリスマスみたいな祝日で連休の最終日。三日間ある連休中連続で企画を催すというちょっとしたイベントの最終日に王舟が出るという。


いい町並み。連休やしクリスマスということでイルミネーションが施してあり、休日感ある。この後訪れたどの街もこんな感じやった。12月はずっと祝祭ムードなんかな?


ライブ前に酒も置いてるオーガニック食料品店みたいなとこに行く。この時気づいたけどイタリアの人は店入る時玄関に置いてるマットでめちゃ靴裏ゴシゴシして綺麗にしてから入るみたい。
マッティアにイタリアでどこが好きと聞いたらサルデーニャ島と言っていた。人の性格がストレートで素直、行くところに行けば昔ながらの生活が残っていると。食べ物も美味しくて、鰯を重ねて塩漬けにしたもの(アンチョビとは違う?)が格別だと。
で、この店でマッティアに「これがその鰯の塩漬けだよ」と言われて買った瓶を日本帰ってから凄く楽しみにして空けてみたら全然違う玉ねぎの酢漬けやった。


この日も関係者でディナー。
日本人が出演するので日本ふうの食事が用意されていると聞いたので楽しみにしていたら、多分おひたしをイメージしたんやろけど、クタクタになるまで湯がかれオリーブオイルがかけられた菜花?らしきものが供された。違う!イタリアにおいてパスタの具やその他諸々野菜類はサラダを除き大体クタクタになるまで加熱されていてそれが美味しくもあったけどこれは違和感あったな〜。
しかしその後に食べた生ハム、牛肉と牛の心臓の赤ワイン煮込み、それと共に飲んだどこのかわからん赤ワイン、超おいしくて酔っ払ってしまった。マッティアの知り合いのマラドーナみたいな奴と適当な英語で盛り上がった。
飲んでると何人か物乞いの人が入ってきて造花を売ろうとしてくる。この感じ日本に無い。滞在中、高速道路出口の渋滞の中で勝手に車の窓をモップで拭いてお金もらおうとする人もいた。日本のカテゴリーでいうとホームレスの人なんだろけど全く悲壮感ない。皆元気。
そういえばイタリアのフランコ・バティアートが好きやったのでマッティアに好き?と聞いたら初期は良かった、とのこと。


ライブが始まるころになると人も沢山来た。昨日と同じく基本的に皆談笑して飲んだり食ったりしてて聞く人は聞く感じ。日本のアコースティックイベントのような黙って静かに聞く雰囲気は皆無。こんな場でやる王舟は修行やな〜と思った。自分がSSWじゃなくて良かった。
その後宿に戻り就寝。

12/9、6日目
ガス室外機の表示。

イタリアではセントラルヒート方式という暖房形式が主流だそうで、例えばマンションとかではひとつのおっきな暖房装置が各部屋に併設されたオイルヒーターみたいなんに温水を自動的に送るシステムらしい。それでも寒い人は各自エアコンを取り付けるみたいな。日本の昔の小学校みたい。

宿の外。


かわいい車。イタリアではところどころでこんなかわいい車を見つけた。古いフィアットのパンダもいっぱい現役で走っており眼福。あと日産のマーチも多かった。日本と違いセダンは全然見なかった。


この日はライブは無かったがマッティアが音響の仕事があるというのでアンコーナの街へ行く。ショートフィルムの映画祭の音響らしい。
アンコーナに行く前にファルコナーラにあるマッティアの実家へ。ここで泊まるらしい。
マッティアのおかんは英語喋られへんけど愛想のいい人やった。家も額付きの絵やオブジェが沢山置いてあったし芸術好きなんかな。


出発まで王舟とイタリアのテレビを見て暇を潰す。

そしてアンコーナへ。
ランチに行こうとしてたお店を何件かまわるけどことごとく閉まってたり満席やった。そこら辺の適当なお店でいいよ〜と言うけど意識が高いのでマッティアはそんなこと許してくれない。
アンコーナの街並み。全ての建物が古くて趣がある。旅行にはマイナーな街みたいで観光客らしき人はほとんどいないのが良かった。


坂が多い。




メインストリート。




 でっかい門には何かのレリーフがいっぱい。


歴史あるらしい教会。


仕方ないので車でちょっと離れたとこまで行き、地元の人しか行かないような大衆食堂へ入ったがここがめちゃくちゃよかった。リアルなイタリアの食堂って感じ。もちろん日本人が入ると物珍しげな目で見られる。


アンコーナは海沿いの街なので海鮮中心。

鰯のフライ。シンプルながらうまい。王舟がハマってた。


ムール貝とかシャコとかエビとかが入ったウニソースの海鮮パスタ。これが凄まじくうまかった…!


食事を終えレジ横のバーカンで食後のエスプレッソとハーブ酒を飲む。マッティアに食後酒の色々を教えてもらったけど忘れた。
イタリアのリストランテは大概食事スペースと立ち飲みスペースが分かれていて、食事が終わると立ち飲みスペースにて食後の飲み物でワンクッション置くというスタイル。非常に良かった。飲むだけなら立ち飲みスペースだけでも利用可。新宿でこんなスタイルの店一回行ったことあるけど日本でももっと流行って欲しい。

店の外にあった落書き。


店の外観。


街に戻り、会場へ。海に埋め立てられた古い五角形の島が全てカルチャースペースみたいになってて、その中の映画館。
マッティアが音響チェックしてる間暇なので散歩。


中庭。



近くにある凱旋門的な建物。
海風もあって外クソ寒いの若者が震えながらレッドブルをウォッカで割ったものを飲みながらたむろしてて、そこは日本人とあんま変わらんなと思った。




その後チェック終えたマッティアと街へ。
例のごとく駐車スペースが全然無くてめちゃめちゃ坂の狭いスペースに縦列駐車しようとするのをハラハラしながら見てたら案の定前の車にぶつける。立ち去ろうとするも通りすがりのおっさんに注意される。マッティアがなんか話してことなきを得る。
ちょっと離れたところに駐車し雨の中マッティアにしばらくついていくとウロウロしだしてしきりに電話してるので聞いたら今回のギャラの交渉に俺は行くからお前らあっちの方にあるバーに行っててくれと。最初に言えや〜。
二人で指定のバーに行きビールを飲みパンを食べる。しばらくするとマッティアが来て「向こうの広場にある別のバーで俺飲んでるから」と言いどっか行く。まだビール残ってたので二人で飲んでたらイングランド人グループ(全員めちゃごつい)に話しかけられる。いい人なんかなと思ってたらそのグループでいきなり喧嘩が始まりそうになりもみ合いになったはずみでイングランド人が着ていたサスペンダーが弾けて王舟に命中。そこから王舟はテンションがた落ち。


マッティアがいるバーに行くとそこがまぁとても良い雰囲気のバーで、マッティアは友達と楽しそうに飲んでた。カクテルも美味しくて店主も気さく。最初からここ案内してくれよ〜。


俺はマッティアおすすめのマルディーニというカクテルを飲んだ。


会場に戻り映画祭がスタート。続々と人が集まってくる。
スタッフパスをもらうも映画館には俺らの座席は無く、何もやることなくただただ時間が過ぎるのを待った。


遊んでみた。



外に出てみるも寒いし…。


ロビーで入場者に配ってた高そうなポテチをもらって食べてみたら日本のより段違いにうまかった。
上映が終わり各賞の発表タイム。有名らしい俳優さんや監督さんが続々壇上にあがり歓声や拍手があがるが全員知らない。もちろんイタリア語で喋るので言ってることも全く分からない。


映画祭が終わり帰るのかと思ったらマッティアの友達とアフターパーティーに連れて行かれる。島に隣接した洞窟みたいな施設でやってた。昔はペスト患者の隔離施設だったらしい。流行りのロックをDJが延々と流している。



深夜2時くらいにファルコナーラに戻り就寝。色々あって疲れた。

12/10、7日目
起床。マッティアの実家のマンションの中庭。


しばらくするとフランチェスカとオランダちゃんと親戚らしい人らが続々と集まってくる。紹介してくれたけど全員誰か忘れた。右のおっちゃんはテルミンをやるらしい。


その後マッティア、フランチェスカ、オランダちゃんとファルコナーラを散歩。
クリスマスかなんかで通りに屋台や市場がズラッと並んでて賑やかやった。お土産を買う。


スケートリンクも作ってた。楽しそう。




教会。新しい教会らしい。


特段凄い教会でもないんやろけど、あんま教会に入ったことないのでうおーてなった。


マンションに戻り、マンションの前で王舟とフランチェスカと日本の宗教観について話す。神仏習合やアニミズムのことなど。フランチェスカは日本に興味があるみたい。

マッティアのおかんが作ってくれたカンネローニというラザニアみたいな料理。美味しかった。


食事を終えてペルゴラのロッジに向かう。

高速の料金所。


車窓の眺め。



ペルゴラに到着。
マッティアが作ったフジッリ。


その後マッティアと二人でスーパーへ買い出し。

なんと日本の柿が"KAKI"という名前で売られてた。イタリアの民家の庭先でも柿の木が植えられているのをよく目にしたので、結構ポピュラーなんかな。


戻って翌日からの本格的な作業開始のために打ち合わせやらなんやら。

12/11〜12/13、8〜10日目
こっから作業開始。

マッティアのDAWが驚きのCubase SXでめちゃ古い。これが一番音が良いとのこと。OSもWindows Vista。そしてDAW上で小節ガイドを使わない(なぜ?)。なので音を取り込んだら波形の盛り上がりを目視して合わせるという変な工程を踏む。



モニターがドイツの聞いたことないメーカーで音が良かった。


ロッジ周辺は常に寒い。


持ってきた機材類。


録音部屋。





マッティアメシ。



マッティアメシ。




基本的にマッティアがご飯作ってくれるんやけど超シンプル簡単やけど美味しいパスタの数々で店の料理とは違う意味で勉強になった。俺も料理できるけど変なパスタ作ったら怒られそうなので作らなかった。

息抜きに三人でサッカー観戦。インテル対どっかのチーム。


マッティアは大のインテル好き。普段静かなのにこん時は終始叫びまくってめちゃめちゃテンション高かった。長友は全然ダメって言ってたけど結果PK戦で長友が決勝点あげてなんか盛り上がった。









13日のディナーは初日に訪れたペルゴラのピッツェリアへ。





トレビスとチーズとポルチーニの山の幸ピザを食べた。
味はまぁまぁ。

店に来てた客のおばちゃんに喋りかけられる。田舎なんで日本人が珍しいのか色々聞かれて「オハヨウゴザイマス」とかいくつかの日本語を披露してくれた。

12/14、11日目
マッティアのPCと俺らのmacとのHDでのデータのやり取りがフォーマット上できないことが判明したのでUSBをファーノのマッティアの家まで取りに行く。わざわざ家までいかんくても近所で買えばいいんでは?と思ったけどマッティアは長く家を空けてるから帰る口実が欲しかったんちゃうかな。

マッティア家に着き玄関開けると知らないおっさんがオランダちゃんを抱いて椅子に座ってて誰…?ってなった。マッティアも特に紹介せず。後から聞いたら親父やったらしい。

海沿いの街、ファーノのマッティア家のマンション屋上からファーノの街並みが見える。



海も。



マッティアがフランチェスカが帰ってくるまで待つと言う。また謎の待ち時間が始まると察知して王舟と外出し二人で近所のバーへ。
イタリア滞在中幾度となく理由のない待ち時間と段取りの悪さに遭遇していて、良く言えば日本と違いせかせかしていないということなんやろけど、最終的にはそれの蓄積でめちゃくちゃイライラすることになる。

近所の民家に生えてた柿の木。


近所のバーでエスプレッソを飲む。


その後浜辺を散歩。


「この方角の先には阿佐ヶ谷が…」



調子乗って落書き。


マルコ。






イタリアの東海岸沿いに走る高速列車。帰りにこれに乗ることになる。


その後お土産とか食材とか買いにショッピングモール的なところへ。日本のイオンモールみたいなとこ。

肉売場。生ハムがズラッと。その場で切り分けて売ってくれる。


BIO。


日本食もある。


色々買ってセニガリアに行く。前回王舟がイタリアに行った時にチーズを匂いのキツさレベル順に食していくというチーズチャレンジ的なことを行った店がセニガリアにあるので連れてってくれるというのだ。

セニガリアの街並み。イタリアの街はどこもいい感じやな〜。




なんかのでっかい城。


かわいい車。


マッティアが昔から知ってるというバーに行き、マッティアの友達のマルコと一緒に飲む。
イタリアで訪れたバーでは大体フリーのおつまみが置いてあって勝手に食べていいスタイルで、それがよかった。オリーブやブルスケッタ、野菜スティックとかスナックとか生ハムとか。


マルコは日本の漫画やアニメや特撮ものにやたら詳しい銀行員。GANTZやうる星やつらとかマジンガーZとかエイトマンや黄金バットとか。聞くところによると、昔日本のアニメやテレビ番組の著作権が他の国のものより安くて、ヨーロッパ各国のテレビ局が日本の色々な番組を買い取ってよく放送していたみたい。マルコ世代にとっては子どものころの原体験の一つとして日本のテレビ番組があるみたい。昨今カタルーニャ独立運動のシンボルにクレヨンしんちゃんが使われているのも同じような背景なんやと思う。
https://www.j-cast.com/2017/10/08310547.html?p=all

あと、なぜか乾はるかのお元気クリニックがイタリアでめちゃ人気らしい。知らなかった…。


マルコとマッティアと王舟。


バーを出て例のチーズの店へ。
マッティアと長い付き合いの友人が店長をやってるらしいがこの日はいなかった。知り合った日からいっつも同じ服を着てるおもろい奴とのことやったので会いたかったけど残念。


ケイパー入り牛肉のタルタルのアンチョビ乗せ。これが本当に美味しかった…!


上に乗ってるチコリーもいい感じに肉々しさの中に青臭さを加えてくれる。最高。
例に違わずマルコも食に対するアテンドには並々ならぬ意識を注いでくれる。ワインを頼む時は店員とセラーに行き一緒に選び色々試飲をした後一番食事に合うもの選んでくれる。

写真が食いかけで汚くて申し訳ないです。このチーズ群が人生最高のチーズ体験でした…。凄い…。


特にブルーチーズの旨味はとんでもなかった。この時マルコがチョイスしてくれたシャンパンとの相性もよかった。うめーうめーて騒いでたら「確かにうまい、けどこれフランスのチーズなんだよね…」と悔しそうなのが面白かった。


完全に出来上がって店を後にする。この日のように、日中イタリア人のノリにあてられてめちゃめちゃナーバスになるもディナーが最高過ぎて相殺されるという天国と地獄の往復を滞在中ずっと繰り返していた。


そして最初に行った店に戻り、完全に閉店しているのを無理やり開けてもらって飲むという日本人みたいな行動をとる。

マッティアと古い知り合いっぽいお店のお姉さん。開けてくれてありがとう。



そしてロッジに帰る。

12/15〜16、12〜13日目
15日はマッティアがトスカーナで泊まり仕事があるというのでロッジで王舟と二人で作業。なんか気が楽になる。
翌日ランチに王舟と自分用にリゾットを作ってたらマッティアが帰宅。ランチして帰ってくると思ったから二人分しか作ってないと言うと、昼前に帰ってくるって言ったぞと、少しスネているようだった。すまん。



そして雪。この日くらいからより寒くなってくる。


マッティア製かぼちゃのコンキリエ。


ロッジの芳名帳を見つける。皆字が綺麗やしイラスト付きでおしゃれ!



子どもの書いたものもかわいい。



12/17、14日目
また朝散歩。
猟犬(といっても可愛らしい小さい犬)がたまに道に出てきて自分の後をついてきたりする。かわいい。



畑。




道端のちっちゃい祠にマリア像。日本で言うお地蔵さんみたいなもん?




歩いてて分かったけど木が切られてて丘状になっている部分は全て耕作地っぽい。畑と畑の境界線と川沿いに線状に木が植えてある。日本の耕作地における鎮守の森的な役割なんやろか。点ではなく線で木が植えられてる違い。天候や土の具合など細かいことは分からんけど、山間部でもなだらかな丘状の地形なので機械も入りやすいし土地も広いので大量生産しやすそう。かといって画一的な植生でもないし住んでる人もいい感じで、オーガニック農業の先進国たる所以がちょっと分かったような気がした。

今日はマッティアの知り合いのドラマーが来て叩いてくれるというので近所のバーに迎えに行く。


このバーも良かったな〜日用品屋さんが併設されてて地元の人が日常的に使ってる感じ。というかコンビニとか一切なかった。そういうインスタントなものの侵入をイタリア人の美意識が阻んでるんかな?

駐車場にあった変な車。


ドラマーをピックし、ロッジへ。

マッティア製シンプルからすみパスタ。


ナイスガイでした。




一通りの録音作業終えたので、ロッジを出てディナーへ。

オーナーのおばちゃんとランチした店に行ってみたけどいっぱいで入れんかった。もっぺん行きたかったな〜。というかこんななんにもないど田舎でどっからこんなに人が湧いてくるんだ!田舎やけどちゃんとお店があってそこにちゃんと人が集まってくるっていいことやな〜。


もう一件のオステリアに行く。ここも真っ暗闇の道沿いにポツンと佇んでる店やけどめちゃめちゃ賑わってる。皆どっからくるのかと話してたらマッティアが「地獄からやってきたのさ!」みたいなこと言ってた。リアルつまんね〜。

奥のスペースではなんかのパーティーやってた。クラシカルな雰囲気のいいお店。


牛肉のカルパッチョ。


ディアボラ。切り方が独特。



満足して帰宅。録音が一通り終わってからのディナーだったので少し打ち上げ感あった。


12/18、15日目

また朝散歩。
ロッジを下ったところにある小川まで歩いて靴が泥まみれになる。


遠くの冠雪した山が綺麗。



ロッジに戻り、この日はゆっくりミックス作業。




マッティア製ブロッコリーとツナのフェットチーネ。


ロッジにあった可愛らしい文房具。




その後マッティア家でディナーするというのでファーノへ。

猫のミータ。おてんば猫やけど何回か行く内にちょっとなついてくれた。


置物コーナー。日本のものもちらほら。


この時来てたマッティアの友達のお姉さんがグラフィックデザイナーやって、その時自分が着てた沖真秀イラストの風工房トレーナーを褒めてくれた。色々喋る。


オランダちゃんは風邪ひいてたけどちょっと元気になってた。


マッティアが作ったうどん。


日本式のよりこっちの方がうまいぞ!といってたけど断然日本のうどんの方が美味かった。このモヤモヤを解消するために帰国後すぐ五反田のおにやんまでうどん食べた。

楽しかったけど帰ったらロッジの暖房とガスが全部止まってて全員真顔になる。


12/19、16日目
この日はちょっとした撮影のあと、オーナーのおばちゃんが僕らのためにお別れ会を開いてくれるとのこと。
朝起きたらオーナーのおばちゃんが連絡入れてくれてたみたいで、暖房のガス補給しに業者さんが来てくれてた。



霜降りてる。





マッティア製パスタ。


ロッジの宣伝映像用に作業風景の撮影。撮影する人はマッティアの古くからの友達らしく十代の頃に一緒にFUGAZIのライブを見に行った思い出を語ってくれた。


色々録った後、俺と王舟のインタビュー風景を撮影。英語で質問されて完全なカタカナ英語で答えた。もっと英語喋れるようになりたい…。

その後、オーナーのおばちゃんと娘達が来てお別れ会の準備。料理を仕込む。




おばちゃんが外で適当にとってきた枝とかで作ったテーブルの飾り付けがおしゃれ。


そうこうしてる間におばちゃんの旦那や知らん人が続々と集まってきて最終的に20人くらいになってパーティー開始。



もちろんひとりひとり紹介してくれることもなく皆仲良く談笑し始める。俺と王舟は黙々と料理を食べる。俺らのお別れ会よね…?

そんな中背格好がgombo bass guitarのまっちゃんそっくりのおっちゃんが拙い英語で喋ってくれて優しかった。なんとgoat好きで日野くんとも喋ったことあると言ってた。



まじでなんなんだこの時間と思ってたらおばちゃんが奥からケーキを持ち出してくる。昨日旦那さんが誕生日やったらしく完全に旦那さんのバースデーパーティーになった…。俺らのお別れ会は…。


当初の予定の王舟ミニライブも完全にやる雰囲気ではなくなった中マッティアが「そろそろ…やる?」みたいなこと言ってきて、ちゃんとやった王舟は偉いと思った。



そんな感じで皆凄く楽しんだ様子で帰っていった。
おばちゃんがメインに使おうと外に置いて解凍していた(クソ寒いのになぜ外で解凍?)冷凍海老は忘れ去られて玄関先に放置されていた。まじでなんなんだ!

その後ロッジの備品でxboxとウイニングイレブンを発見したマッティアが電源つけようと奮闘しているのを尻目に就寝。


12/20、17日目
ロッジ滞在最終日。翌日ファルコナーラから朝の電車に乗るのでマッティアの実家へ行く。
この頃になるとペルゴラの景色も完全に飽きている。







ペルゴラを発ちファルコナーラへ。途中オランダちゃんを迎えに保育所に寄る。車外に出て2分で戻るからと言われ外をふらふらしてたら外寒すぎて車に戻ろうとするも鍵かかってて入れない。なんで鍵かけてくねん!結局30分くらい待ってようやく戻ってきた。ここらへんからイタリアのノリが完全にオーバーキャパになりダークサイドに堕ちる。終始真顔。


マッティア実家に着くもまた長い待ち時間に入り(そしてなぜか家の中も寒くてめちゃ身体の調子悪くなる)、より真顔になる。置いてある調度品とか盗んだろかな〜とふと思った。たまらず二人で街に出てバーに入り少し正気を取り戻した。家に戻りしばらくしてマッティアとバーに行く。最終日のディナーにマルコとフランチェスカが来るので飲みながら待つ。明日の帰りの工程を話しながら、今こんなナーバスになってるけど結局ディナーが最高でプラマイゼロになるんやろな〜と考えてたらやはりこの後その通りになる。

フランチェスカを拾い四人で店へ行きマルコと合流。ファルコナーラでは有名なお店らしい。店員さんの誇りと自信を持った働きぶりが日本では見ない感じで頼もしくてかっこいい。そして最高のディナーが…。

生牡蠣。めちゃくちゃ味濃くてうまい…。この旨味は全て本当に牡蠣からくるものなの?とマッティアに聞いたら不敵な笑みを浮かべながら「……yes」と答えた。マッティアは全ての食事終わった後にもう一回カマゲンしてた。


マルコとフランチェスカ。
この時もマルコは試飲しながら一番合うワインを選んでくれた。ミネラルと石灰質が強い白で魚介とめちゃくちゃ合う。


さっきまで死んでた人。


メカジキの生ハム燻製とコリアンダー。イタリアで一番おいしかったやつ…。叡智…。


海鮮の手打ちパスタ。これもめちゃ美味かったけどアンコーナのパスタの方が美味かった。



マルコとNARUTO。この時も色々日本のこと話してくれた。詳しすぎる。


天国と地獄!の笑顔。


結局最高な気持ちでマッティア実家に戻る。悔しいけどこれがイタリアの真実。


12/21、18日目
朝、フランチェスカに別れを告げマッティア実家を出る。ファルコナーラ駅へ。



お世話になったマッティアともここでお別れ。ありがとうの気持ち。
ファルコナーラからボローニャまでの3時間くらいに色々イタリアのこと思い返してたけど日本に帰れるということで頭が一杯やった。


ボローニャ駅に到着、バスでボローニャ空港に向かう。
そういえば食べてなかったと思い空港でボロネーゼを食べる。やはり恵比寿くらいのクオリティ。うまいけど。


やっと帰れるということでこんなにも表情に余裕が。


入場が激混みやったため免税店で足早にお土産を見る。全然ゆっくり選べなかった。
そしてボローニャを発つ。さよならイタリア!

帰りもドバイでトランジット。3時間くらい。ちょっと長いのでビールでも飲むか〜となるがめちゃめちゃ高くて買えなかった。免税店の店員さんが中国人で王舟の中国語が一瞬聞けたのが良かった。


そしてドバイから成田へ。
日本行きとなると日本人も沢山乗っており、王舟以外の日本語を久しぶりに聞いてちょっと感慨深かった。
帰りも映画とゲーム。あと本を読んで過ごす。

12/22、19日目
夕方くらいに成田着。
wifi返却やなんやらを色々済まして回転寿司へ直行!


死ぬほど美味かった。
飲食をさっさと済まして店を出て行く他の客を見て、えらくインスタントだな〜と少し思ってしまい、イタリアのノリが自分に染み付いているのを感じる。

王舟と別れて、大阪までの終電が無いので五反田に泊まる。
どっかのパーティーとか盛り場に行こうかとも思ったけど疲れてたしやめた。ホテルの近所にある適当な居酒屋で一人で食べた焼き鳥が染みた…。

12/23、20日目
朝、おにやんまでうどんを食べてから新幹線で大阪へ。
帰宅し、長い旅は終わった。



【おまけ:マッティアの"〜はクソ(〜is shit)"シリーズ】
・警察はクソ
・車道を走ってる自転車はクソ
・マクドナルドはクソ
・バカルディ(ラム)はクソ
・バリラ(パスタのメーカー)はクソ
・長友はクソ
・SM58はクソ

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